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葵プロジェクト

5月15日は地元のお祭りでもあり、京都三大祭りの一つ「葵祭」でした。
三大祭りの一つと言っても、
祇園祭に比べたら知名度はかなり低くてあまり話題にも上りませんが、
源氏物語にも出てくる、大変古いお祭りなんです。
御所を出発した行列は下鴨神社に寄った後、最後は上賀茂神社へやって来ます。
行列の他にも色々神事があるのですが、その話はまたにして、
今日は「葵プロジェクト」のことを。
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上賀茂・下鴨、両神社の印でもある葵。
着物の柄などによく用いられる(葵の御紋とかも、笑)日本古来の
とてもポピュラーな植物ですが、
実際のところ、この葵、絶滅こそしていないものの、数がかなり減っているようです。
その昔、上賀茂神社境内には葵は自生していて、「葵の森」と呼ばれていたそうですが、
(今も町名に残っています)
実際には私、境内に葵が生えているのを見た事ありません。
15日に行われたお祭りでは、
行列等に参加(?)する者はこの葵を烏帽子などに付けるのですが、
(一回の葵祭に葵、約一万枚もいるらしいので)葵の葉は使えず、
似た葉を持つ桂の木の葉で代用しているという現状です。
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これは3年ほど前に撮った写真。
牛車を押す人々の烏帽子に葉っぱ(たぶん桂)が指されています。
※後で調べましたら、桂も葵と共に昔から身につけていたようです。


そんな葵を復活させようと、数年前から「葵プロジェクト」が始まりました。
小学校など教育機関や企業、個人等が里親となって葵を育て、
翌年、育った葵の一部を葵の森に返す。
そしてその翌年、葵祭でこの葵を活用する、という活動なんです。

この事は、メディアを通して知ってはいましたが、その活動に協力するには
どうしたらいいのか知りませんでした。
15日、葵祭見物の途中、上賀茂神社境内の外れに何気なく足を延ばしたら、
葵の苗を売っていたのです。
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(正確には売っているのではなく、
運営費(千円)を寄付して葵を受け取る、という事なのでしょう)



私も早速、家で育ててみる事にしました。
育て方を読むと、
一般的な山野草と同じように、
水はけ良く、水持ちも良く、
夏の直射日光が嫌いで… と、それほど難しそうにはありません。
なんせ、我が家の周辺はもともと葵の自生地のようなもの。
内のシンボルツリーにして、夏でも暗い日陰を作っている桂の木の下なら、
きっと心地よく過ごしてくれるでしょう。
異常気象がこれ以上酷くならなければ・・・ですが。
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植え替えた葵。足元に地味な小さな花も咲いています。


最後に葵プロジェクトの冊子にあった一文を



葵という植物を見たことがありますか。
かっては、身近にあった多年草です。

はるか昔、葵は「あ・ふ・ひ」と書かれていました。

「ひ」とは、神や生命力を表す言葉。
「ひ」にめぐりあい、豊かな国になることを願う心、
葵はその象徴なのです。

私達は葵の再生をめざし、活動を始めました。
世代を超え多くの人たちが力を合わせ、
昔のように葵が自生する森を甦らそうとしています。

その過程で文化や歴史を学び、
人として大切なものはなにかを考えています。

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by r_gardenspace | 2010-05-18 10:52 | 京都でのこと
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